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ABCラジオ『とことん全力投球!妹尾和夫です』(毎週火曜 12:00〜14:54)内のコーナー「和夫の終活日誌」で放送された内容をご紹介いたします。
妹尾:ラジオパーソナリティー 安井:パートナー 八城:ヤシロ代表
第120回(2016/6/28放送)
- 妹尾:
-
今日は、霊園・墓石のヤシロの八城社長を終活アドバイザーにお迎えして、
みなさんからの疑問・質問にお答えいただきます。
- 八城:
- お願いします。
- 妹尾:
- まずは、こちらの方から……
49歳・男性
亡くなった母の遺品整理を専門の業者に依頼しました。
父は先に他界しておりましたので、実質、父の遺品と母の遺品、両方の整理でした。
高額なもの、価値のあるものは先に形見分けしていたのですが、
家具などはそのままでしたので、いくつか買い取ってもらうことにしました。
しかし、かなりいいものであるはずの調度品を、思いのほか安価で引き取られ
納得がいきません。
また、価値のない大きな家具を無料で処分するかわりにと、高価な置物を取られて
しまいました。
業者の選択を慎重にしていたらと後悔していますが、
どうにもならないですか?
- 妹尾:
-
物の価値って、素人にはわかりづらいですけど、
そこにつけこむような業者もあるんですね……
買い取られた今となっては、どうしようもできませんか?
- 八城:
-
このご依頼の方のように、買い取られたあとや処分した後で後悔しても
どうしようもありません。
現在、遺品整理の事業者は全国で6千社以上(日経新聞調査)あると言われていますが
その中には、もともと廃品回収の業者であったり、廃棄物の処理業者、引越し業、
古物買取業などが新規事業で遺品整理を行なうという会社も多いのですが、
「ごみ処理業者」と言うのと「遺品整理会社」というのではなんとなく
印象は違いますが、実態は変わらないことも多いので、
業者のスキル不足によって骨董品など価値のある財産も処分してしまうという
ケースなどもあるようですので注意が必要です。
ですから、少しでも価値がありそうなものがあれば、先に専門業者に鑑定を
依頼するのが無難だと思います。その上で処分の業者を呼ぶと良いでしょう。
また、実家が遠方だったり、仕事や日常が忙しくて、なかなか遺品整理に
時間をさけず、止む無く遺品整理業者に依頼をする場合も多いと思いますが
業者を選ぶ際には、なるべく複数の業者に見積もりを依頼することをお勧めします。
その上で次のような業者にはご注意いただきたいと思います。
@ 遺品整理をする現場を見ずに、電話やメールのみで見積もりをする業者
お片付けの内容や量はその家それぞれですので、家の大きさや部屋数で
おおよその金額を参考価格として表示していることが多いですが
実際に現地を見もせずに金額を言う業者は、後で高額な追加料金を請求される
可能性がありますので注意が必要です。
実際に、私のお客様で見積書の金額は10万円程度だったのに、作業終了後に
100万円以上請求されたという方もいました。
A 当日の立会いを求めない業者
遺品の中には重要な書類や貴重品なども含まれる場合があります。
たとえ「忙しいのでお任せします」と依頼したからと言って、
それを簡単に引き受ける業者は信用しない方が良いと思います。
B 見積り額が異常に安い事業者
遺品整理は必要な物と不要な物を仕分け、不要な物は合法的に廃棄処分
しなければなりません。企業努力によって価格を抑えている程度は良いですが
あまりにも低料金の業者は不法投棄など違法な処分等何か理由がある可能性が
あるので注意が必要です。
依頼した業者が不法投棄をした際には、依頼者も罰せられるケースも
ありますので、気をつけていただきたいですね。
遺品整理後の不用品を収集運搬し、処分する場合、各自治体から
「一般廃棄物収集運搬許可」を取得する必要があります。
また、家電や家具などをリサイクル品として回収するのは「古物商許可」を
取得していなければなりません。
依頼する際に業者が、これらの許可を取得しているのかを確かめておくことも
良い業者を見極めるポイントになると思います。
- 妹尾:
- 続きまして……
64歳・女性
昨年、母が亡くなりました。
兄妹で形見分けをしましたが、母は呉服をいくつか遺していました。
でも、私も兄も価値があまりわからず、着物好きな義理の姉(兄の嫁)の
意見を聞きながら形見分けをしました。
ところが、今年に入って母の親友だった女性と会う機会があり、
いろいろ話しているうちに高価な着物は、ほとんど兄の方へ分けられたことが
わかりました。複雑な心境です。
兄夫婦との関係を壊すことなく申し立てることは可能でしょうか?
それとも、このまま我慢するべきなのでしょうか?
- 妹尾:
-
大切な人の形見ですから、金額がすべてではないのでしょうが、
高価なものばかりがお兄さんのもとに分けられると、やはり気になりますよね。
こういう場合、どうすればいいんでしょうか?
- 八城:
-
いったん納得して形見分けてしまってからだと、ご兄妹の関係にもよりますが
嫌な想いを残さずに申し立てを行うことは難しいでしょうね。
この方の場合も形見分けの段階で、専門家に見ておいてもらうと
良かったのでしょうが、それよりも、もしも、亡くなられたお母様が生前整理を行って
「これとこれは誰々に・・・」とか、「これはとても値打ちのある物だから・・・」と
見た目には値打ちがわかりにくい物でも言っておいてくれたら
どれほど楽に形見分けができたでしょうか。
遺品整理をされるのは、残されたご遺族です。
相続財産はお金や土地だけではありません。このような家具や着物、
お皿や茶碗や絵画や掛け軸など、その価値と思い出を引き継ぐことも
相続だと思います。
できれば、お元気な内に身の周りの物を整理して、形見分けのリストを作っておいたり、
いらないものは前もって処分したりしてもらえると
今日のご質問のように後に残った方がもめたり、悩んだりすることなく
遺品整理を行え、同時に思い出の整理もできるのではないでしょうか。
そういう意味でも「生前整理」も終活の大事な要素だと言えると思います。