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ABCラジオ『とことん全力投球!妹尾和夫です』(毎週火曜 12:00〜14:54)内のコーナー「和夫の終活日誌」で放送された内容をご紹介いたします。
妹尾:ラジオパーソナリティー 安井:パートナー 八城:ヤシロ代表
第118回(2016/6/7放送)
- 母親(安井):
-
ええっと、これは一郎の分。
これは二郎の分で、こっちが三郎の分で、あれは……
- 四郎(妹尾):
-
お母ちゃん、こんな遅い時間まで何してんの?
- 母親(安井):
-
ああ、四郎。ちょうどええとこに来たわ。
はい、これあんたの分。
- 四郎(妹尾):
- 俺の分って、なんやねん、このアバンギャルドなシャツは?
- 母親(安井):
- なにって、亡くなったお父ちゃんの形見やないの。
今な、あんたら兄弟に渡すお父ちゃんの形見の整理してんねん。
意外と時間がかかってしもて、こんな時間になってもたわ。
- 四郎(妹尾):
-
それはご苦労さん。
けど、俺こんなアバンギャルドなシャツもろても、よう着んで。
- 母親(安井):
-
そんなん言わんと、もろとき。お父ちゃんの形見なんやから。
- 四郎(妹尾):
-
いや、こんなアバンギャルドなシャツ、いらんて。
しかもホコリだらけやし、よう見たら虫に食われてて、
アバンギャルドな感じの穴が開いてるし、もらっても迷惑やわ。
- 母親(安井):
-
そうか……ほな、お父ちゃんの学生時代の先輩、ほら、あの、
なんていう人やったかな?よう世話になったって言うてた……
- 四郎(妹尾):
- たしか、妹尾とかいう人ちゃうかった?
- 母親(安井):
- そうそう、その人にあげよか。ほら、あの人アバンギャルドやろ?
- 四郎(妹尾):
- そらええ考えやわ。
- 母親(安井):
-
ついでに、このアバンギャルドなズボンも貰ってもらおか。
- 四郎(妹尾):
- それやったら、このアバンギャルドなタヌキの置物も、もろてもらお。
- 母親(安井):
- ほな、このアバンギャルドな肖像画も、妹尾さんにあげよか。
- 四郎(妹尾):
- そうしよ、そうしよ。
それにしても、ホンマは身内で分け合うはずの形見を、
目上の他人に押し付けるやなんて、俺ら、アバンギャルドやな。
- 妹尾:
-
家族が亡くなった後でやらなければいけないのが、遺品整理です。
高価な品物は相続人全員の共有の遺産となるので、まずは遺産分割をして、
残った遺品は形見として選別するようにしましょう。
遺品は決して不用品ではありません。
供養という観点で命の尊さを噛みしめながら大切に整理して、形見分けすることを
心掛けましょう。
- 安井:
- 形見分けをするうえでのポイントはありますか?
- 妹尾:
-
<保存するもの><捨てるもの><人にあげるもの>の三つに分類することがポイントです。
保存しなければいけない物は、貴重品や実印、預金通帳、株式、借用書など、
遺産となるものはもちろん、日記、手帳、手紙なども残しておく必要があります。
- 安井:
- 日記、手帳、手紙などもですか?
- 妹尾:
-
それは、遺言書との文字の照合や、遺産となる預貯金の捜索などさまざまな場面で
必要となる可能性があるからです。
1年ぐらいは保管しておきましょう。
それから、形見分けをする際に心がけなければいけないのは……
@受け取る人の身になって贈る
A目上の人には贈らない
B包装はしない
C高価なものは贈らない
という4点です。
形見分けは、本当に喜んでくれる方に贈らなければ意味がありませんし、
相手の好みなどを考えてふさわしい品を贈るようにしましょう。
- 安井:
- 目上の人に贈ってはいけないんですか?
- 妹尾:
-
そもそも形見分けは、親のものを子に、兄姉のものを弟妹や甥・姪、あるいは後輩に
贈るというのが本来の姿なんです。
でも、希望があった場合は、目上の人に形見分けをしてもかまいません。
それから、形見分けの品は、箱に入れたり、贈り物のように包装したり、
水引きをかけたりせず、「遺品」「偲び草」などと表書きして、直接手渡します。
また、あまり高価なものは、貰った人の負担になることもあるので、避けましょう。